仙谷村通信

前の Lund 通信は、Lund に流されたのを機に書き始めたのでしたが、 それは、ちょっと珍しい境遇かな、と思ったのと、 少しは暇ができたから、でした。でも帰国したら、元の木阿弥。 なーんも珍しい事なんか無いし、なによりそんな暇が無い…。

でも驚いた事に、「日記を続けろ」という声が多数(三つ以上は多数です、 私の場合)あったので、もちまえの脳天気さから「仙谷(村) 通信」なんてものを予告してしてしまいました。それを一寸延しにして いたら、また多数の催促。「おだてられたブタ状態」になってしまいました。

しかし、思えば、ここ仙谷村は結構珍しい場所ではあります。 立派な村道は有るが、県道に継がる前に「ふっ」と消えてしまうし、 村を通る電鉄は、村の主産物の梨を運ぶためにできたので、 今でも乗客の扱いが丁寧だったりするし。その駅から村にたどりつくには、 90段の階段を上り切らないといけないし…。


5/19/02 (Sun) 究極の SPAM Mail

AERA の5月13日号に、「私がはまった巧妙手口」と題した記事が載りました。 何でも、ナイジェリアの詐欺団が日本や米国のビジネスマンを騙して、 大金を騙し取っている、という話。

実は私、この手のナイジェリア人達とは古くからおつきあいが有るんです。

最初は、もう10年も前になりますか、封書で 「あなたの銀行口座を使わせてくれたら、○億円の報酬を上げる」 と言ってきました。書いてある経緯が胡散臭い(どう考えても、 そりゃ公金の横領だよ、みたいな)という以前に、 その油滲みの浮いた汚ない封筒や、安っぽいレターペーパーが何とも 「○億円」にそぐわなくて、可笑しかった事を覚えています。 (その手紙を失くしてしまったのが何とも残念。) その頃の新聞で、これにうっかり乗ったら、誘拐 → 身代金要求と発展すると後で知って、桑原々々と思った事でした。 もし、あんな汚い手紙ではなくて、 「りゅう」とした身なりの黒人がロールスロイスに乗って現われて 「実は…」と切り出されていたら、私もきっと「ころっ」 と騙されていたに違いない…。

しかしこのごろは、郵便ではなくて、E-mail を使うんですね。 うまくおびき出してからも、誘拐なんて荒っぽい手を使わないで、 途中の手数料を払わせる等の手で金をまきあげるらしい。

で、私には残っているだけで、7 通もこの手の E-mail が舞い込んできました。

  1. From: Idris Abubakar (8/27/01)

  2. From: Dr. Jegade Badamusi (9/14/01)

  3. From: Dr. Obi Williams (12/5/01)

  4. From: Mrs. Kaka Abacha (12/14/01)

  5. From: Dr. Chris Ezego (12/21/01)

  6. From: Don Moor (12/29/01)

  7. From: Usman Ahmed (2/23/02)

いずれも、ナイジェリア他、ガーナ、象牙海岸等が舞台です。4 のアバチャ未亡人は AERA にも出てきます。有名人かも。 正書法を無視している事もあり、読みやすくはないですが、最初から 「騙り」だと思って読むとなかなか面白いです。

それにしても、こんなに立て続けに来たら、誰でも疑いを持ちますよね。 「顧客」管理をやってねぇのか、なんて他人事ながら心配になります:-) ひょっとしたら、AERA にあるように「いまは模倣犯が続出してダンゴ状態」 なんで、お互いに無関係に送りつけているに違いない。

この中でお勧めは、古典的な 1) と、ちょっと自棄気味の 7) かな。7) は何と、yahoo の webmail から xemacs-users-ja ML へ出しています。相当杜撰に思えるけど、 まあ「難民キャンプのインターネットカフェから助けを求める」 という設定だとそれ程おかしくもないかな。でも、それにしても、 難民キャンプにインターネットカフェなんて有るんだろうか。


3/24/02 (Sun) なんぼなんでも…

仙谷村は桜の木が多くて、春はなかなか楽しめるのですが、 今年は既に満開。昨日の春の嵐でもう散ってしまった木もあります。

という事で、昨秋に書いた最後の日記からもう半年。あまり間が空くと、 「続けなきゃあ」という意欲もだんだん薄れてくるし、 読んで下さる方々の意欲も減退するんでしょうね。いかん、いかん。

そんな沈滞を吹きとばすようなできごとが有ったので勇躍再開… (←ウソです。)

このところ愛読させていただいてる 「がんばれゲイツ君」というサイトにリンクが有ったのですが、 Microsoft のこの いいぐさ!特に、 「つまり、(Windwos XP では) 従来の Windows では当たり前だった “再起動”とサヨナラできます!」のくだり!「ほう、 フリーズ⇒再起動は『当たり前』だったのね」とか、「やっと認めたか」とか、 「でも、そんな事今迄認めていたか?そんな事ないよね。じゃ、 今回もやっぱりフリーズするんじゃないの?」とか色々頭を過るんですが、 まあ、総括すると「がちょーん」(←古過ぎ)というところですか。

このページから辿れる他の記事にも面白いのがあります。例えば 「『安心』して使えるかな」というページには、 「しかも万一クラッシュした時にはメッセージできちんと謝ります」とか 「Office XP の安定性は日々進化していきます」とか…。まあ、 「不正な処理が有りました」のメッセージで、 これまでユーザをめちゃくちゃ怒らせているとやっと気がついたか、 という面では進歩でしょうが、「謝られてもなぁ (クラッシュせんようにならんのか)」とも思います。 「進化うんぬん」の方は、 「出荷する前にちゃんと安定にしとかんかい」が普通の反応でしょうね。

こういうページを見るのもたまには面白いかも。いやまてよ、 「がんばれゲイツ君」から振られたからこそ 「やれやれ(溜息)」という反応になるけど、 いきなりこれを読んだら「腹が立つなぁ」が普通の反応か:-) やっぱりやめとこ。


10/27/01 (Sat) 型に嵌めすぎ?

娘の中学最後の学園祭だというので、朝から見学に出かけました。

3回目だというのに、展示は午後から、というのを知らずに行って、 体育館でステージを見学する羽目に。総合学習って言うんですか、 いろいろな実体験をする「学科」の発表を見せられました。 でも、なかなかのでき。「ものの行方」と題して、各班が、 廃車、ゴミ、下水、等々の行末を探究する企画で、 「たんけん、はっけん、ほっとけん」なんてスローガンも 気が効いてて「なかなかやるねぇ」という感じ。最後に、 成果を纏めるために、生徒がホームページを作って、 しかもそれを発表すると聞いて、 嫌がうえにも期待が高まります。(あんたも好きねぇ:-)

プロジェクタを使っての紹介でした(今時の中学って、そんな立派なものが 有るのね)。実際そのホームページ、初めて作ったにしては悪くない。でも、 各班の作品をずーっと見ているうちに、 なんだか落着かない気分になってきました。だって、 どれもこれも基本的なパターンが同じなんです。しかも、 文章全部を align=center にする、 というあまり普通でない設定も皆共通。

ふーむ、これはきっと、誰かの「指導」が行きすぎたのでは? と疑ってしまいました。「見やすくてインパクトが有る事」 だけを条件に、生徒達に好きにやらせたら良かったのに…、 と自分勝手な感想も洩れるというもの。 もしどなたかボランティアの方がやっていたのなら、 こんな事書いては申し訳ないけど、でも、やっぱり残念。

型に嵌める、と言えば、私が勤める某外資系企業でも Web サイトに対する「規制」は相当なものでした。 担当者がページを作ったら、それをまず非公開のホストに乗っけて、 二人くらいのマネージャに承認を得て、その上で 部門に一人しか居ない技術担当者にお願いして本当のホストに移してもらう…。 まあ、「角を矯めて牛を殺す」を地で行くような塩梅でした。

自然、掲載されるのは組織図とか作業手順の類いのものばかりとなり、 ウン百万円かけて導入した立派なサーバが、なんとも勿体無い…てな状態。

「型に嵌めたい」という衝動は、 ことほど左様普遍的かつ強力なもののようです。


10/21/01 (Sun) 絶滅が危惧される種

Endangered Species? って、そんな大層な事じゃないんですが…。

3 ボタンマウスって、もう絶滅が近いんでしょうか。 新宿のヨドバシカメラにはあれ程沢山のマウスが並んでいるのに、 とうとう見付けられませんでした。店員さんに聞いても 「何それ?」って感じだし。

仕方無いので、Elecom の一番オーソドックスなホイールマウス (すなわち一番安い奴:-)、M-N2P2LG)を買って帰りました。

実は大して期待してなかったのですが、使てみると手にしっくり馴染んで、 なかなか良いです、これ。 私は Mac SE の角型マウスが最高、とかねがね信じていたのですが、 その次くらいにランクしてあげても良い。(ちなみに、最近の Apple の丸いマウスには、がっかりさせられました。いつから、 「見た目だけ」になってしまったんだ?)

これまでは、Logitech(今は Logicool?)の 3 ボタンマウスを使っていて大して不満もなかったのですが、 このところ段々カーソルが手の動きに追随してくれなくなっていて、 ストレスを感じる程になっていたのでした。改めて新らしいのと較べると、 「とんでもない」程の劣化。カーソルの動きだけじゃなくて、手應えも 「ごろごろ」という感じで、まあ 5 年も酷使すればこんなに…、 というくらい酷い状態でした。

思えば、もう何箇月も前から症状は進んでいた筈なのですが、 劣化がゆっくりだと、相当酷くなっても我慢できちゃうんですね。 私が貧乏症という事かも知れませんが。とにかく 1,870 円也でこんなにストレスが軽減されるなら、これは良い買物でした。

あれ程 3 ボタンに拘ったのですが、やむなくでも 2 ボタンマウスを使い始めてみると、何ら支障はないですね。 ホイールを真中のボタンの変りに使うのは「ちょっと」ですが、 そもそも、そんなものをそうそう使わないし。 そう言えば、右ボタンだって、たまにしか使わない。こうなればいっそ、 シングルボタンが良さそう。そうです、Mac のマウス(がらみの、 GUI 全般)って良く考えられてますねえ、と言いたいのでした。


10/20/01 (Sat) 地上戦

とうとう米軍の地上部隊がアフガンに投入されたようです。

笑ってしまう程悲しいのは、米国が今頃嫌米感情を気にしている事。 理由はともあれ、他国を爆撃し地上軍を投入して「何故嫌うんだ?」 とは人を馬鹿にするのにも程が有る。

逆上して他国へ報復を始めて、 相手の逆上は理解できない?何度も書くけど、これが「独善的」 でなくてなんだろう。 こんな国が地球上の唯一の超大国である現実がつくづく恐ろしい。 じゃ、どんな国なら良いのか?そんな国はちょっと見あたらないし、 (EU の中でのドイツの姿勢などは、かなり「大人だな」とは思えますが) 今がどうあれ、スーパーパワーになった途端に豹変、 というのは有りそうな話。「だからこそ国連」 なんではなかったんでしょうか。

今回米国は、「国連軍」の体裁さえ取り繕おうとはしませんでした。 やりきれない「危うさ」を感じます。ウチのちびさん達の世代は、 どんな世界を見る事になるんだろ。


10/13/01 (Sat) 米軍のアフガン侵攻反対!!

大方の予想通り、ついに米英軍のアフガンへの空爆が始まりました。 地上軍の投入も間近か、と言われています。

それにしても、空爆開始から6日目。一向に局面は動きません。 ビンラデン氏を殺すか捕えるかすれば、 米軍にとっては一件落着なんでしょうが、 なかなかそうは問屋がおろさないようです。長期化すれば、 旧ソ連軍の二の舞になる可能性がますます高くなる…。私自身は、 アメリカにもタリバーンにも同情しませんが、 国内が内戦に次ぐ内戦、さらに今度は外国軍隊の侵攻と、 困難が続くアフガンのひとびとの絶望感を思うと、 とてもやりきれない気持になります。


10/6/01 (Sat) 卑怯者の記

アメリカ軍のアフガンへの侵攻は、とっくに既定の方針となってしまい、 後は「何時?」だけの問題に見えます。

それにしても、同時多発テロ以降のアメリカのやり方・言い分は、 「独善的」を絵に画いたよう…。

素朴な疑問。 例え武力報復が 100 % うまく行ったとしても、 それで大規模なテロが無くせるか? 「テロなんぞやったら、こんな風に徹底的にやっつけてやるぞ」 というメッセージは、 いそいそと自殺テロに赴くテロリスト達には効果が無さそう、 と思うのは私だけでしょうか。


9/20/01 (Thu) ちょっとピンボケ

ISDNの上で細々と「仮免練習中」の我家庭内サーバにも、 ついに Nimda がやって来るようになりました。 今もすごい勢いでアタックを受けていて、 実害は無いものの、ログファイルが一週間で 1 MBにも膨れあがってます。

Code Red がまだ治まらないのにCode Blue、Code Green ときて、 今度は Nimda。よくよく、MS は祟られてますなぁ。

事は重大。日経新聞などもこれを取りあげ、「サイバーテロか」 等と報道しています。

ちょっと待て…。まあ、本当に、テロリストが仕掛けたのかも 知れなけど、もっと他に書く事はありませんか?つまり、 被害を受けているのは、MSの製品ばかりだって事。実際、 我が仮免サーバの Apache は(平然と) これらのアタックを(ログに残した上で) 不法アクセスとして棄て続けているんですよ。MS 製品が セキュリティホールを沢山(現在 7 つ?)持って出荷される、 言わば「欠陥商品」だという事はどうして言及されないでしょう?

ちゃんとパッチを当てていれば被害の大半は防げた、 という反論が出て来そうですが、それは聞こえまへん。 パッチ当ては、とても難しくて、相当慣れた人でも、 きちんと当ったかどうか確信が持てないんだとか。 最初これを聞いた時は半信半疑だったけど、MSのサイトが Nimda にやられたと聞いたら、なる程と納得できました。

本家本元でさえ、(パッチを当てきれないで)やられちゃう。 それでも、しょぼいのは 「運用」であって、製品ではない、と言い張るか?また メディアはその言い分を信じる?もしくは、サイバーテロなんていう、 ちょっと(かなり)ピンボケの話でお茶を濁す? まさか、MS が払っている莫大な広告料のせいで矛先が鈍った、 なんて事はないですよね、日経さん。


9/11/01 (Tue) ちょっと大袈裟

台風上陸。

弊社の某部署では、前の台風の際の右往左往を反省して、 前日のうちに緊急連絡網を作成・周知。 台風が酷くなりそうな時は、部署を上げて整然と行動する事を 申し合せる。

当日は、台風は首都直撃コースを取り、 朝の 7 時頃には相当の荒れ模様となる。 連絡網の責任者は、部員の安全を最優先して、 「本日は出勤に及ばず」と件の緊急連絡網を通じて周知。 予想通り、その後も天候は悪化の一途。

と、ここまでは、良かったのですが、 ウチの小学生と中学生は、そろって登校。 中学生は昼前に帰宅したけど(軟弱者め)、小学生の方は とうとう最後(3時過ぎ)まで授業をして帰ってきました。 すると当然、朝からのらくらしている私に注がれる家族の視線は 冷たいものに…。

夕方にはアメリカで同時多発テロの報。

翌日出勤して最初に宣言したのは、「台風ごときで、 緊急連絡云々はやめよう」でした。


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Taka Fukuda
Last modified: 2010-04-11 (Sun) 18:59:28 PDT