Linux on ThinkPad X23
7/10/05 作成
目次
はじめに
何故かインストールできない
FC-4 インストール
環境整備
ACPI による sleep
日本語環境
Air-Edge と WLAN Card
課題・印象など
はじめに
愛用していた、ThinkPad X22 をサーバにしてしまってから、出先や仕事場からの Internet へのアクセス (というかアクセクというか) が減って、同時にストレスも減ったぞ、 なんて負け惜しみを言ってたけど、 やっぱりどうしても出先でメールを見たい事もある…。
というのは後付けの理由で、実は某中古 PC 専門店で、 IBM refreshed PC (ThinkPad X23) を見かけたらついふらふらと…。新品と取りかえたらしいピカピカの 「英語」キーボードや LCD のベゼルを見て、はたまた DVD-ROM 付きドッキングステーションが付いていると知って、 「ひょっとしたらこれは掘り出し物かも」という思いがしきり。X23 じゃあ X22 と代わり映えしないしなぁ、という理性の言葉も、とりあえず動く Note PC が欲しいという一種の焦りの気持に敢えなく押し流されて、 とうとう購入してしまいました。
X23 の H/W は X22 と殆んど変っていないので、Linux のインストールは「お茶の子」のはずだったのですが、 最初の段階でいきなり躓いてしまい、結果的に FC-4 になった事もあって結構大仕事になりました。しかし、 FC-1 on X22 と共通する部分も多いので、ファイルの内容など詳細は、 Linux on ThinkPad X22 をご参照下さい。
何故かインストールできない
購入時点では動作確認用(?)の Windows 2000 が載っていたのですが、動作確認を一応終えて、FIPS でパーティションを切り直そうとしたら、なんと unknown file type とかでパーティションが弄れない。(ヤミの Windows 2000 を生かしておこうという邪心は早速おとがめを受けてしまった:-P)。仕方ない、と FC-3 をクリーンインストールを試みたけど、これがまたうまくいかない。 いつものように FC-3 の rescue CD で起動してからネットワークインストールを試みるけど、Disk DRUID で HDD パーティションを切った直後にインストーラがブルー画面を出して止まる。 3 度は試したと思うけど結果は同じ。それでは、と FC-4 で同様の方法を試みるもこれまた不調。ブルー画面にはならないけど、 anaconda が「partition 変更の情報をフィードバックできない」 とかいって止ってしまう。Windows NT のインストーラでも、ブルー画面。 KNOPPIX には HDD が無いと言われる…。外付けの CD-ROM、 docking station の DVD-ROM とドライブを変えてみたけれど改善 (変化) 無し。
Fedora ML で相談したら、インストーラのイメージが壊れているのでは? という御示唆を頂いた。でも、あんまり納得できず、ThinkPad Club でアドバイス頂いた「NTFS でフォーマットされていると、FIPS では触れない事があるよ」の方をとりあえず採用して、DR-DOS の FDISK で無理矢理 Linux partition にする。FC-4 の rescue CD を挿してインストールを始めてみると、やはりアボート。 しかしその個所が以前とは違っているので、少しは改善された様子。
FC-4 インストール
というような訳で、言わばたまたま FC-4 になった。というのは、二度目のトライで先の問題個所はクリアできたので。 その後は特に問題なくインストールが進んで、HTTP server に ring.wakwak.com 選んだのが良かったのか、 かつてない程の短時間でネットワークインストールが完了。reboot したら、ちゃんと X まで立ち上がってくれました。環境整備
sleep で悩みそうな事は判っていたので、 とりえあえず「環境をいじるに必要な環境」を整える。- X の resolution を、1024 x 768 に設定する
(何故かインストーラは、正しく設定してくれなかった。)
- # yum install fonts-japanese
- # yum install xemacs (今回は、FC-4 の RPMS を試す事にする。)
- /etc/X11/xorg.conf で Control と CapsLock を取り換える。
- /etc/inittab を弄って、default の "run level" を 3 にする。
- useradd, groupadd で一般ユーザ (fukuda) の account を作る。
fukuda を wheel group に加えておく。
- /etc/sudoers を編集して、wheel を sudoers に加える。ここで
reboot。
- Capslock と Control を入れ替えた us.map.gz を、
/lib/kbd/keymaps/i386/qwerty/ に置く。
- # yum install zsh (次いで、.zshenv, .zsh_alias, .zshrc を X22
から copy。)
- % ssh-keygen -t rsa として、
- この結果できる .ssh/id_rsa.pub を、他の PC の .ssh/authorized_keys の最後にコピーする。(-t rsa で良かったかどうか未詳。というのは、こうやっても passphrase 入力を省略できない。)
-
ACPI による sleep
実は結構悩まされたけど、SElinux を disable したら動くようになりました。途中の右往左往は端折る事にして、要するに
- /etc/acpi/event に
# /etc/acpi/event/sleep event=button[ /]sleep action=/etc/acpi/actions/lid.sh
と# /etc/acpi/event/lid event=button[ /]lid action=/etc/acpi/actions/lid.sh
というファイルを作り、 - これが呼ぶ、lid.sh の中身を
# /etc/acpi/action/lid.sh /bin/echo 3 > /proc/acpi/sleep
として、実行パーミッションを与えておき、 - acpid を reload する
X22 + FC-1 (APM) と比べて、
- 安定しています。一週間程使っていますが、resume
に失敗するとか、時計が狂うとかいう問題は皆無。(後者は
APM でも現在は克服できていますが。)
- sleep に入るまでが早い。ただし、resume
にはより長く時間がかかるようです。また、resume
の際になんだかだと不要な表示が出ます。
- LCD の Backlight が点きっぱなしになります。
蓋を閉じれば消えるので実害が無いと言えば言えるのですが。
日本語環境
Fedora は distribution が膨れあがるのを抑制しよう、という事なんでしょうか、 結構大胆に package を削ってくれますね。愛用の skkinput もその憂き目を見ています。IIIMF がトレンドなのかも知れないけど、すぐにはどうやったら良いか解らない。 なので、ダメモトで、FC-3 の dbskkd-cdb-1.01-21 と skkinput-2.06.4-7 をインストールしてみたら、あっさり動いてくれました。
あ、いや、実はもう一捻りありまして、何故か xinetd がインストールされてなかった…。Distribution には勿論含まれていて、"# yum install xinetd" で、インストールできま したが。(インストーラのバグかな?)
私にとってメインの日本語入力メソッドは、XEmacs 上の SKK なので、とりあえずこれで充分です。
Air-Edge と WLAN Card
どちらのカードも X22 + FC-1 と殆んど同様の操作で動くようにできました。 僅かですが、差分を書いておきます。-
まず WLAN card。Dhclient を手で起動するならば、ifcfg-eth1
は空ファイルで良いのですが、それを
DEVICE=eth1 ESSID=myESS KEY=0320301xxxx TYPE=Ethernet BOOTPROTO=dhcp ONBOOT=no USERCTL=no PEERDNS=no
としておくと、ESSID が myESS、WEP key が 0320301xxxx のエリアで、WLAN カードを挿すと、自動で association ⇒ DHCP による IP 取得までやってくれます。 - Air-Edge のための ppp-on、ppp-on-dialer の設定は、ThinkPad X22
の場合と同じでよいのですが、何故か /etc/ppp/resolv.conf
を作ってくれません。しかしまあ、そうあちこちの ISP
にアクセスする事は無いでしょうから、このファイルに ISP の
nameserver を書いておけば良いでしょう。
- 変更点がもう一つ。この resolv.conf を /etc/ の直下に copy
するように、ip-up.local を作るのですが、何故か copy
した後のパーミッションが "-rw-------" となってしまう。SELinux
を疑ったけど、もうこれはとっくに disable
してある。結局理由は解らなかったけど、
umask 022 ; if [ -f /etc/resolv.conf ]; then mv /etc/resolv.conf /etc/resolv.conf.preppp cp /etc/ppp/resolv.conf /et/resolv.conf fi
とすることで、この問題は解決できました。("umask 022" を付け加える。)
課題・印象など
- ACPI の sleep/resume はとても安定していて嬉しい。
これは大きな進歩だと思います。
- sleep がらみでは改善がもう一つ。X22 では sleep から resume
するたびに、kbdrate で、repeat rate
を再設定してやる必要があありましたが、X23 + FC-4
ではこの問題は解決されているようです。
- 初めからついてきた English keyboard
ですが、ちょっとタッチが軽くなっているみたいです。
これは好みが分れるところでしょうが、
私はこちらの方が楽なような気がします。(だからって、ストロークを短
かくしたりしたら許さん…。)
- 当初 FIPS が使えないどころか、OS
の新規インストールを一切受けつけない、という状況があって、一応
NTFS file system がインストールされてあるとそういう事もままある、
という説明が尤もらしいように思えたのですが、よく考えてみると、
これもまた考え難いですね。これはきちんとしておかないと、先々の
Note book の導入に不安が残ります。
- TrackPoint の感度が変化する。 原因は温度の変化のようにも思えるがはっきりしない。 動き難い時は、かなりの力が必要になるが、 その場合、上面が平なゴムキャップは、条件を余計に厳しくする。 これはちょっと「なんだかな」です。
Taka Fukuda Last modified: Fri Aug 5 21:50:31 JST 2005